医療・ヘルスケアの個人、スタートアップを主役に

デジタルヘルスとは?

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国内外の製薬会社においてMR業務に従事。2012年には国内5%表彰にあたるJapan Salse Excellence Awardを受賞。その後、外資系コンサルティング会社にて、製薬企業の営業・マーケティング、PV、PMS部門の戦略策定から組織・人変革、BPRまで幅広い業務に従事。 現在は、独立しヘルスケアスタートアップ、製薬会社の営業・マーケティング、新規事業開発を中心に、コンサルティングを実施。
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記事の概要
今回の記事はこんな人のために書いています

  • デジタルヘルスが営業・マーケティングに与える影響を理解し、戦略立案に役立てたいと考える営業・マーケティング責任者
  • デジタルトランスフォーメーションを推進することになったが、何をすればよいか分からない営業・マーケティング担当者
  • 次世代MRに求められる役割・業務を理解し、成長したいと考える現場MR

今回の記事を読むと以下のことが分かります

  • デジタルヘルスとは何か?
  • 製薬・ヘルスケアの営業マーケティングにおいて変化に影響を与えるテクノロジーは?

こんにちは、スターコネクトコンサルティングの水本です。

今回の記事は、製薬業界向けの営業マーケティングの業界専門誌のMonthlyミクスで2021年5月号に掲載した、「デジタルヘルスとは?」について記載した内容をご紹介したいと思います。

Monthlyミクス5月号でも公開していますので是非、ご興味ある方はご覧ください!

それでは以下にご紹介します!

はじめに

第1回では、10年目の田中MRと元同期で現在はヘルスケアスタートアップで働く佐藤という2人の架空のストーリーを用いて「20XX年の製薬・ヘルスケア業界の未来」について考えてみました。未来の事を正確に予測することは難しいと思うが、皆さんも是非、自分なりの未来像を想像しながら読み進めて頂きたいです。2回目となる今回は、未来像をベースに「デジタルヘルスとは何か?」、「変化に影響を与えるテクノロジーは何か?」について、まずは大まかに考えていきたいと思います。

今回もヘルスケアスタートアップの営業・マーケティング責任者として働く、元同期の佐藤と、製薬会社に勤める田中MRとのやり取りを通して、本テーマについて一緒に考えていきたいと思います。

佐藤から、MR研修の企画の手伝いを依頼された田中MRは、佐藤との打ち合わせに向けて「デジタルヘルス」について調査を行っていた…

未知の領域に対する不安「どうすれば良いのだろう…」

田中MRは、前回の佐藤とのMTGから2週間が経過し、「デジタルヘルスとは何か?」について整理しておくと言い、知り合いからヒアリングしたり、ネットで手あたり次第情報をかき集めたものの、情報が多すぎて何をどの様に纏めれば良いのか全く分からなくなり、行き詰っていた。

本日は佐藤との2回目の打ち合わせの日だった。

「どう?デジタルヘルスについて纏められた?」

「いや、それがデジタルヘルスについて纏めると言ったものの、何をどの様に纏めれば良いか分からず、正直困っていたんだ…」

「ハハハ、そう言うと思ったよ。俺もMRからスタートアップに転職後、何も分からないのに『取り合えずよろしく!』と丸投げされて途方に暮れていたことが多々あったんだ。スタートアップではやることが明確に決まっていることは殆ど無いんだ。」

そういうと佐藤は、ホワイトボードに今回、田中MRにお願いするプロジェクトについて何やら書き出していった。

「前回の打ち合わせから2週間たっているので、もう一度、田中にお願いしたいことを書き出していくね」

「前にも話したように、うちの会社の営業担当者にデジタルヘルスのこと、またどんなスキルが求められていて、どの様に変わっていかなければいけないのか、各人で考えてもらいたいと思っている。田中にはそのワークショップのファシリテーター役になってもらいたいと思っているんだ。」

「ただ、何も無い状態で一からMRの皆に考えてもらうのは難しいと思うから、ファシリテーター役として、田中には自分なりの答えを持っておいて欲しいんだ。その自分の答えを見つける場として、今回の調査を活用してほしいと思っている」

「特に、今回は、デジタルヘルスの全体像について整理した上で、以下のポイントを明らかにして欲しいと思っている。

◦変化に影響を与えるテクノロジーは何か?
◦そのテクノロジーが営業・マーケティングに与える影響はどの様なものか?
◦結果、次世代の営業・マーケティング担当者に求められる役割・能力は何か?」

「色々と未知の領域を調べて纏めていくのは大変だと思うけど一緒に纏めていこう」

デジタルヘルスという未知の領域について、自分なりの答えを見つけるのは少々ハードルが高く不安に思う田中MRだったが、一方で新しいことにチャレンジすることに、ワクワクしている自分もいることに気づいた。

「了解。大変そうだけど精一杯やってみるよ。未来の事を考えるのってなんかワクワクするね」

「有難う。細かい内容に入る前にざっと、①デジタルヘルスの全体像は?②変化に影響を与えるテクノロジーは?③テクノロジーが営業・マーケティングに与える影響は?について2人で考えてみよう」

デジタルヘルスとは?

「まずは、「デジタルヘルスの全体像は?」について考えていこう。」

「デジタルヘルスっていっても、何か特別なことを考えることではなく、今までの医療・ヘルスケアをデジタルの力で進化させたものだよね。だからまずは、今までの医療・ヘルスケアのプロセスをざっくりと捉えたうえで、各プロセスでどの様なデジタルテクノロジーが存在するか整理してみよう」

「医療・ヘルスケアは、1.『予防』、2.『診断・治療』、3.『管理・リハビリ』の3領域に分かれるよね。日本では1.『予防』の領域は『ヘルスケア』で、2.『診断・治療』、3.『管理・リハビリ』の領域を『医療』と呼ぶことが一般的だと思う。」

「今までは、ヘルスケアと医療って分けて考えられてきたけど、デジタルの力でこれらがシームレスに繋がる世の中が実現しようとしているのも注目すべきポイントだよ」

佐藤はホワイトボードに、医療ヘルスケアのプロセスを書きながら、丁寧に説明してくれた。デジタルヘルスと聞くと、何か特別なことを考えなければいけないと思ってしまい手が止まってしまったが、そうでなないと理解し、ほっとした。

「今までネットで新しいテクノロジーについて調べてくれたと思うけど、プロセス毎に該当するテクノロジーを記載していってくれないかな」

「了解。こんな感じかな?」

確かに今まで点となってバラバラだった情報を一定の枠組みみ整理してみると、各テクノロジーの繋がりが見えてきたような気がする。

「有難う。これで簡単ではあるけど全体像は整理することが出来たね。勿論他にもテクノロジーは色々あるから、全てをカバー出来ていないけど、ひとまず営業・マーケティング領域で最低限押さえるべきテクノロジーから理解していこう」

変化に影響を与えるテクノロジー「治療用アプリとは?」

「次に、②『変化に影響を与えるテクノロジーは?』について考えたうえで、③『テクノロジーが営業・マーケティングに与える影響は?』についてザックリと押さえていこう。今回もあまり細かい各論に入らないように注意していこう」

「いきなり各論に入らないように」か。確かに最初から細かい内容にいきなり入ってしまい、結果何をやりたかったのか分からなくなってしまうことも多々あった。

「②『変化に影響を与えるテクノロジーは?』については、ここでは①『治療用アプリ』と②『オンライン診療』について考えてみよう。まずは①『治療用アプリ』について、『どの様な課題』に対して、『どの様な価値』を提供し、結果『どの程度の効果が期待できるか?』という観点で整理することって出来るかな」

田中は、四苦八苦しながらも今まで調査してきた情報を元に、言われた切り口で纏めてみた。

「どう?こんな感じかな?」

「有難う。流石だね。治療用アプリの特徴をザックリと理解するには十分だと思う。田中の纏めてくれた情報を元にすると、治療用アプリとは、1.『日常生活に介入』し、2.『行動変容』を促し、3.『既存治療の1/10程度の研究開発費で、医薬品と同等の効果が認められる』もの、ということになるね。」

「今のは、治療用アプリ単体で考えた時の価値だと思うけど、先程のデジタルヘルスの全体像に戻って、他のテクノロジーとの掛け合わせで考えてみるとどうかな?」

「治療用アプリは、日常生活に介入することが出来るのが強みだったけど、それと同時に心拍数、歩行数、体温等といった日常生活のデータを入手できるのは素晴らしいし、それを元に診療を行うことが出来るのであれば、精度も格段に上がると思う」

「その通りだと思うよ。治療用アプリ単体で考えるのではなく近接のテクノロジーとの掛け合わせ、ここでは『オンライン診療』との掛け合わせという観点で考えてみよう」

『オンライン診療』との掛け合わせで何が出来るか?

「まずは、オンライン診療と治療用アプリがどんな流れで患者さんに使われるか、考えてみよう」

「了解。オンライン診療については既に調べてあるから、ホワイトボードに書いていくね」

「因みに海外でオンライン診療メーカーのテラドックってしっている?最近リボンゴという糖尿病の疾患管理プログラムを提供している会社と一緒になって話題になったんだ。オンライン診療×治療用アプリの掛け合わせではないけど参考になるのでこれを見てほしい」

そういうと佐藤は、田中MRが記載したオンライン診療のプロセス図に加え、在宅でのプロセスを書き加えていった。

「テラドックとリボンゴが一緒になった狙いはいくつかあると思うんだけど、こうやって書くと、診療~在宅までの全てのプロセスで患者さんと接点を持ち、モニタリングを行い、必要に応じて介入が出来るのは凄いと思わない?これは糖尿病患者のものだけど、包括的に疾患をマネジメント出来ているのは凄い事だと思うよ」

確かに今までは、少なくとも診療と在宅のプロセスは分断されていたし、各プロセスについても、複数のサービスが部分的に提供されていて非効率な部分もあったのは事実だ。

「この世界観が実現すれば、患者さんとの接点が格段に広がり、色々なポイントから疾患をマネージできる様になるよね。各デバイス、システム間のデータ連携も進めば一つの場所に必要なデータが集まり、それらを解析して更なる医療の質の向上も見込まれる。」

「ただ一方で、得られるデータが爆発的に増えるので、それら全てを扱っていたら逆に多忙な医療従事者にとっては、とてもじゃないけど扱えなくなってしまうよね。如何にして意味のあるデータに加工した上で、適切なタイミングで提供していくのかも今後は考えていかなきゃいけないと思う」

大まかにではあるが、デジタルヘルスの全体像と、影響を与えるテクノロジーについて理解することが出来た。

「あっという間にこんな時間だね。ひとまず今日はここまでにしようか。次の打ち合わせは2週間後で良いかな。今回は治療用アプリについてザックリと調べたと思うので、もう少し詳しく調査していこう」

おわりに

今回は「デジタルヘルスとは何か?」「変化に影響を与えるテクノロジーとは何か?」について「デジタルヘルスの全体像」並びに、「治療用アプリ」、「オンライン診療」を例に大まかに見てきました。

次回は「治療用アプリ」について海外事例等も踏まえて今後の方向性について考えていきたいと思います。

⇒第三回:「治療用アプリの実力は?」を読む

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国内外の製薬会社においてMR業務に従事。2012年には国内5%表彰にあたるJapan Salse Excellence Awardを受賞。その後、外資系コンサルティング会社にて、製薬企業の営業・マーケティング、PV、PMS部門の戦略策定から組織・人変革、BPRまで幅広い業務に従事。 現在は、独立しヘルスケアスタートアップ、製薬会社の営業・マーケティング、新規事業開発を中心に、コンサルティングを実施。
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