医療・ヘルスケアの個人、スタートアップを主役に

「次世代のMRとは何か?」の答えを見つける

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -
国内外の製薬会社においてMR業務に従事。2012年には国内5%表彰にあたるJapan Salse Excellence Awardを受賞。その後、外資系コンサルティング会社にて、製薬企業の営業・マーケティング、PV、PMS部門の戦略策定から組織・人変革、BPRまで幅広い業務に従事。 現在は、独立しヘルスケアスタートアップ、製薬会社の営業・マーケティング、新規事業開発を中心に、コンサルティングを実施。
詳しいプロフィールはこちら

記事の概要
今回の記事はこんな人のために書いています

  • デジタルヘルスが営業・マーケティングに与える影響を理解し、戦略立案に役立てたいと考える営業・マーケティング責任者
  • デジタルトランスフォーメーションを推進することになったが、何をすればよいか分からない営業・マーケティング担当者
  • 次世代MRに求められる役割・業務を理解し、成長したいと考える現場MR

今回の記事を読むと以下のことが分かります

  • 20XX年の製薬・ヘルスケア業界の未来とは?
  • 次世代に求められるMRとは?

こんにちは、スターコネクトコンサルティングの水本です。

今回の記事は、製薬業界向けの営業マーケティングの業界専門誌のMonthlyミクスで2021年4月号に掲載した、「次世代に求められるMRとは何か?の答えを見つける」について記載した内容をご紹介したいと思います。

Monthlyミクス4月号でも公開していますので是非、ご興味ある方はご覧ください!

それでは以下にご紹介します!

はじめに

ミクスに2021年2月号まで全4回で連載させて頂いた「次世代営業・マーケティングモデルへの転換」では、の中でもでも少し触れました、次世代の営業マーケティングモデルの主役は、MA/SFAや3rd Partyメディアが提供するサービスの導入による“デジタル化”ではなく、“MR”であり、「次世代のMRとは何か?」について各人が考え答えを見つけていくことが何より重要であると考えています。

一方で、現場のMRの皆様の中には「次世代のMRに求められる役割は何か?」「具体的にどの様なスキルを磨けばよいのか?」と日々試行錯誤を繰り返される方も多いと思います。

本連載では、「デジタルヘルスの衝撃」と題して、近年、製薬・ヘルスケア業界に影響を与えている「デジタルヘルスとは何か?」、また「それらが営業・マーケティングにどの様な影響を与えるのか?」について考えたうえで、「次世代の営業・マーケティング担当者に求められる役割・能力は何か?」について一緒に考えていきたい思います。

今回は、読者の皆さまと共に本テーマについて考えていきたいと思い、あえて物語という形式を取ってみたいと思っています。主人公は、将来のキャリアに悩む10年目の田中MR。将来のMR像を想像し、試行錯誤を繰り返しながら前に進む姿を、皆様の状況にあてはめながら読んでいただき、自分だったらどう考えるかという視点で田中MRに投げかけられる問いについて、一緒に考えて頂きたいと思います。

10年目の漠然とした不安。気づいた時は書店にいた

最近、仕事の合間にMBAや営業・マーケティング戦略の本を読み漁っている。COVID-19をきっかけにMR活動は大きく変わった。

MRの仕事は今年で10年目を迎え、開業医~大学病院までを一通り経験し、営業所の中でも中核プレーヤーとして正にキャリアの絶頂を迎えている時でもあった。しかし、最近時折キャリアについて不安に思うことが多くなった。

周りはMBAやら、スタートアップへの転職やらで同期も次々と新天地に行くことも多く聞くようになった。自身も「何かしなければ」、「変わらなければ」と漠然とした不安を抱えつつも、何をすれば良いのか全く分からず、気持ちは焦るばかりであった。

そんなことを考えている時、声をかけられた。

「おー、田中!久しぶり!元気にしている?」

良く見れば、同じ会社に新卒で同期で入社した、佐藤ではないか。佐藤は10年前新卒でMRとして同期で入社し、研修でも意気投合し、当時は共に過ごすことも多かった仲であった。

しかし、MR3年目の時、佐藤は突然スタートアップに転職した。当時は周りからもなぜ、数年しか経験していないのに、将来が分からないスタートアップに転職するのか同期の間では疑問に思われていた。

そんな佐藤は、スタートアップに転職後、事業責任者として営業・マーケティング組織の立上げを経験したということは聞いていた。また、今では、ヘルスケアスタートアップと大企業の新規事業の立上げも多く手掛けているとのことだった。

「なあ、田中、この後飲みに行かないか?ちょっと相談したいことがあって。」

「是非行こう!この後仕事を少し片づけた後、お店で集合しよう」

突然の誘いだったが、お互いの近況について色々と話したいこともあり、久しぶりに2人で飲みに行くことになった。

「最近仕事はどう?COVID-19で製薬の営業・マーケティングも大きく変わっただろう。実は今、『デジタルヘルスが製薬・ヘルスケア業界の営業・マーケティングに与える影響』について仕事で考えているんだ。数年前、営業マーケティング組織の立上げを行ったんだけど、ここ数年の変化は本当に激しくて、MA/SFAをはじめとした、システムなどの“ハコ”の変革だけでなく、MRのマインドチェンジも含めた抜本的な“ヒト”の改革が必要だと考えているんだ。

ただ、近年のデジタルテクノロジーの変化は激しく、それらを全てをキャッチアップするのは本当に難しい。現場のMRも何か変わらなければいけないと感じているけど、具体的に何をすればよいのか分からないという反応なんだ。

デジタル化は、“効率化”の側面ばかりが強調され、現場のMRにとっては、正直厄介な存在だとも思われている面もあると思う。ただ個人的には、デジタル化は、MRの強力な武器になると思うし、チャンスだと思う。ただ、俺も現場を離れて10年近くになる。やはり現場で感じた課題について深く理解しているのはMRだと思う。少し力を貸してくれないか?」

突然のことで少し驚いたが、丁度自身が現場で感じていたテーマに合致していることであり、正直ワクワクする自分がいた。

「是非、何か一緒にやれることがあれば遠慮なく言ってね」

「ありがとう、じゃあまた来週改めて打ち合わせをしよう。詳細はその時に話すね。ひとまず今日は久しぶりだし飲もう!」

20XX年の営業・マーケティングの近未来とは?

改めて内容の詳細を聞くために佐藤と打ち合わせを行うことになった。ただ勢いで引き受けたものの、いまいち何をすればよいのか分からず少し不安だった。

「20XX年のMR像を考えるといってもどうすれば良いのかな?」

田中は、現場で問題意識は感じているものの、具体的にどうすれば良いのか、どうなるのかといったイメージを持っているわけではなかった。また、どの様に考えれば良いのか皆目見当もつかなかった。

「『人が想像できることは実現できる』、こんな言葉聞いたことない?まずはこれを見てほしい」

「これは1983年に考えられたものだけど、かなり正確に今の状態を表していると思わない?勿論外れている部分も多いけど、生体認証は一部導入されているし、遠隔医療も拡大しつつある。
勿論、占い師ではないので、未来を予想するのはとても難しいし、勇気がいる。
でも人間が想像できることは大抵実現できるってことだね。次世代のMR像を考えるなら、自分なりの20XX年の医療の姿、営業・マーケティングのあり方をある程度想像し、その変化に適応するために自分で何を身に着けるべきか考えていく必要がある」

なるほど、確かにその通りだと思うが、いきなり「20XX年の医療の姿、営業マーケティングの姿」を考えるのは難しい。

「いきなり『20XX年の医療の姿、営業マーケティングの姿』を考えるのは難しいと思うから、俺が考える未来の姿を話すね。

そのうえで、『仮にそうなるとしたら』という前提をおいて、
①『変化に影響を与えるテクノロジーは何か?』
②『そのテクノロジーが営業・マーケティングに与える影響はどのようなものか?』
③『結果、次世代の営業・マーケティング担当者に求められる役割・能力は何か?』

について、田中の意見を聞かせてほしい」

「分かった。じゃあまずは佐藤の考える『20XX年の医療の姿』を教えてほしい」

「了解。まずはこのスライドを見てほしい。」

「最近、「デジタルヘルス」って良く耳にする機会が増えてきたと思わない?詳細はまた話す予定だけど、個人的に理解しておいた方が良いと思うのは、①『オンライン診療・服薬指導』②『DTx』③『ヘルスケア参入デジタル企業の動向』かな。

20XX年の医療は、『オンライン診療・服薬指導』×『治療用アプリ・デバイス』×『治療支援プログラム』で自宅に居ながらにして本格的な治療を受けられる時代になると思うんだ。

またこれらのテクノロジーのおかげで、今までアクセスが難しかった患者の声、データ(心拍数、歩行数、体温‥)がリアルタイムに企業側は収集できるようになる。患者データの取り扱い方については、色々と規制もあると思うので、活用の仕方は議論しなければいけないと思うけど、一旦規制を外して考えると企業側のみならず、MRにとっても非常にパワフルなデータだと思うよ。」

確かに、今まで情報提供を行うにしても、患者データにアクセスすることは出来ず、普段の会話の中から医師に有用だと思う情報を推測して情報提供を行っていたが、精度は必ずしも高くなかった。

また前提として、十分な医師からのヒアリングが必要になるし、COVID-19で面会が限られる中、十分な情報を医師から直接ヒアリングベースで入手することは現実的ではない。もし事前に医師が診察を行っている患者のデータを確認し、診療上の課題を特定した上で、情報提供することが出来るのであれば精度は格段に高くなるはずである。正に「必要なタイミング」で「必要な情報」を提供することが出来るようになる。

「有難う。『20XX年の医療の姿』を見て、MRがどの部分に介入・貢献できるか考えやすくなったと思う。ただ、一つ一つのテクノロジーについて十分理解が出来ていないので、まずは『変化に影響を与えるテクノロジーは何か?』について一旦こちらでもう少し調べて改めてディスカッションしたいな」

「有難う。DTx, オンライン診療等一つ一つのトピックは既に一度は聞いたことがあるだろうし、理解していると思うけど、重要なのは、全体像を理解したうえで、それぞれのトピックがどの様に関連しているのか?ということだと思うので、各論に入っても、常に全体像を意識して考えてみて」

「了解。それでは、次の打ち合わせまでにまずは、「デジタルヘルスとは何か?」について整理しておくね。」

おわりに

如何でしょうか?今回10年目の田中MRと元同期で現在はヘルスケアスタートアップで働く佐藤という2人の架空のストーリーを用いて「20XX年の製薬・ヘルスケア業界の未来」について考えてみました。

勿論、未来のことを正確に把握することは難しく、見誤ることも多々あると思う。但し大事なことは常にその時点での情報で、考え何らかの方向性を考えることだと思います。

次回以降は、この未来像をベースに「デジタルヘルスとは何か?」「変化に影響を与えるテクノロジーは何か?」について、①「DTx」②「オンライン診療」③「ヘルスケア参入デジタル企業の動向」の3つの切り口から詳細について見ていきたいと思います。

 

⇒第二回:「デジタルヘルスとは?」を読む

この記事を書いている人 - WRITER -
国内外の製薬会社においてMR業務に従事。2012年には国内5%表彰にあたるJapan Salse Excellence Awardを受賞。その後、外資系コンサルティング会社にて、製薬企業の営業・マーケティング、PV、PMS部門の戦略策定から組織・人変革、BPRまで幅広い業務に従事。 現在は、独立しヘルスケアスタートアップ、製薬会社の営業・マーケティング、新規事業開発を中心に、コンサルティングを実施。
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© , 2021 All Rights Reserved.