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アフターコロナに求められるハイブリッド型の営業マーケティングモデルとは?

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国内外の製薬会社においてMR業務に従事。2012年には国内5%表彰にあたるJapan Salse Excellence Awardを受賞。その後、外資系コンサルティング会社にて、製薬企業の営業・マーケティング、PV、PMS部門の戦略策定から組織・人変革、BPRまで幅広い業務に従事。 現在は、独立しヘルスケアスタートアップ、製薬会社の営業・マーケティング、新規事業開発を中心に、コンサルティングを実施。
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記事の概要
今回の記事はこんな人のために書いています

  • アフターコロナのハイブリッド営業・マーケティングモデルの構築を検討中の営業・マーケティング責任者
  • インサイドセールスMR立ち上げを推進することになったが、何をどうすれば良いか分からない営業・マーケティング責任者
  • 次世代に求められるインサイドセールスMRの役割・業務を理解し、成長したいと考える現場MR

今回の記事を読むと以下のことが分かります

  • 次世代営業マーケティングモデルとは何か?
  • コロナ禍で見えてきたオンラインセールスモデルの課題は?
  • アフターコロナにおけるハイブリッド型の次世代営業マーケティングモデルとは?
  • ハイブリッド型の次世代営業マーケティングモデルの「設計・構築」の仕方とは?

こんにちは、スターコネクトコンサルティングの水本です。

今回の記事は、製薬業界向けの営業マーケティングの業界専門誌のMonthlyミクスで2022年4月号に掲載した、「アフターコロナに求められるハイブリッド型の営業マーケティングモデルとは?」について記載した内容をご紹介したいと思います。

Monthlyミクス4月号でも公開していますので是非、ご興味ある方はご覧ください!

それでは以下にご紹介します!

はじめに

「この先本当にこのままで良いのだろうか?」――。2010年当時、医局に戻る医師を待つ病院の廊下で、当時、生活習慣病MRとして試行錯誤を繰り返していた時に、時折頭に浮かんでいた疑問だ。あれから10年が経ち、COVID-19を契機に製薬業界の営業・マーケティングは大きな転換期を迎えた。2020年10月から「次世代営業マーケティングモデルへの転換」と題して、全4回に渡り、これまでの経験を元に、次世代の営業マーケティングモデルについて連載させていただいた。当初は、ヘルスケアスタートアップを中心に導入のお手伝いをすることが多かったモデルだったが、最近では、スペシャリティ領域、ヘルスケア企業における新規事業立上げを行う中で、少数精鋭の営業・マーケティング組織の設計・構築支援を行う流れが増えてきた。また、立上げ後、実際に運用する中で、オンラインセールス組織の課題も明らかになってきた。そこで本連載では、オンライン・オフラインのハイブリッド型次世代営業マーケティング組織を立ち上げるうえでの、①「考え方」②「作り方」③「実行の仕方」についてフレームワークを提示しながら、読者の皆様と一緒に、「自社の状況に即した、ハイブリッド型の次世代営業マーケティングモデルとは?」について考えていきたいと思う。本連載を通じ、製薬業界における次世代営業マーケティング組織とはどの様なものなのか?について考えていき、より良いものに出来ればと考えている。

次世代営業マーケティングモデルとは何か?

ここでは、具体的な「考え方」「作り方」「実行の仕方」を考える前に、改めて「次世代営業マーケティングモデルとは何か?」について簡単に振り返ってみたいと思う。

次世代営業マーケティングモデルとは、Saas業界で一般的に取り入れられているThe Model型の営業・マーケティング組織をベースとした「効率性と専門性を兼ね備えた“共業”プロセス」である。

簡単な流れは「マーケティング」担当者が、インバウンド型の魅力ある企画・コンテンツを作成し、「リードを獲得」して、「インサイドセールス」が、「アポイント取得」を行う。

「セールス」は、インサイドセールスのアポイントを元に、必要に応じてオフラインでの「面談」を重ね、製品の「採用」までを行っていく。

また従来は、製品採用後のアフターフォローも「セールス」が行う流れだったが、「カスタマーサクセス」という別の担当者が、「長期に渡る関係構築・フォロー」を行うという流れになっている。

この様に従来一人の担当者が行っていた、プロセスを「インサイドセールス」「セールス」「カスタマーサクセス」の3つの役割に分担、連携することにより「効率性」と「専門性」を同時に高めることに成功している。

当初は他業界や、スタートアップで先行して導入されていたモデルであったが、COVID19を契機に、製薬業界でも同様の流れが見られるようになってきた。

特に、筆者の経験としては、「スペシャリティ領域」、「ヘルスケア企業の新規事業立上げ」の文脈の中で、導入を支援するケースが増えてきたと実感している。

「セールス」、「カスタマーサクセス」は従来の様にMRが一気通貫で担うケースが多いものの、「インサイドセールス」部隊である「eMR」の立ち上げを行うなど、各社の状況に応じたハイブリッド型モデルを構築する流れが一気に進んできた。

コロナ禍で見えてきたオンラインセールスモデルの課題

このように、ヘルスケアスタートアップのみならず、「製薬企業のスペシャリティ領域」、「ヘルスケア企業の新規事業立上げ」の文脈の中で導入されることが増えてきた、営業・マーケティングモデルであるが、実際に運用する中で、オンラインセールスモデルを採用するにあたり、いくつかの課題が見えてきた。

課題①:オンラインでのアポイント不可の医師への対応

COVID-19を契機に、製薬業界においてもオンラインでのアポイントが珍しくはなくなってきたものの、他業界に比べオンラインでのアポイントに対してハードルが高い事も事実である。最近では、各社がデジタルツールを導入し、「メアド獲得数」、「オンライン面談数」がKPIに設定されるようになり、医師側としてもオンライン面談を打診されるケースが増えてきたため、従来に比べよりアポイントが取得しにくい状況になってきた。

課題②:継続的なオンラインでのアポイントの取得

また、オンラインでのアポイントに成功した場合においても、「継続的なオンラインでのアポイント取得」という点においては、課題がある。

オンラインで「メールアドレス」を獲得し、「Web講演会等へ参加」した「有望医師」を獲得したとしても、実際に「アポイント獲得」、「採用」に至る数は限定的である。また、このモデルを機能させるには、「継続的」に「有望医師を獲得」する必要があり、その前提となる魅力的な「コンテンツ」、「Web講演会等の企画」等を継続的に生み出して実施していく必要がある。

では、どうすれば良いのか?

実際に、今までオンラインをベースとした、営業マーケティング組織の設計・構築を支援する中で、このモデルは理論上は、有効なモデルであると感じているが、やはり業界における顧客の状況、対象製品の性質、既存の営業体制も加味したうえで、状況に応じて修正していく必要があると感じている。

詳細は、本連載の「業務編」で検討していくが

方向性①:「Pull型の製品」で、「魅力的なコンテンツ・企画」を元に、「リード獲得」の最大化を測ったうえで、「CV」を改善し、「アポイント数」を確保する方向性と、

方向性②:それでも面会不可の医師(オンライン不可医師)は、現地の「特約店、自社MRとの連携」を促進し、「アポイント数」を確保するというハイブリッド型の対応が必要になると思う。

オンラインにはない、オフラインの強みは依然として大きい為、「どの様なケースではオフラインが必要か?」「どの業務はオフラインに強みがあるか?」について議論を重ねていく必要がある。

上記はほんの一例ではあるが、完全オンラインセールスモデルの弱点を踏まえたうえで、自社のオフラインMRとの連携の仕方、オフライン連携が難しい場合は、特約店を初めとした外部パートナーとの連携も視野に入れて、設計していく必要がある。何れにしても自社の状況によって最適なモデルは異なるため、画一的に体制を構築するのではなく、各社で検討を重ね、考えていくことが必要となる。

アフターコロナにおけるハイブリッド型の次世代営業マーケティングモデルとは?

今まで、オンラインセールスモデルの課題と、自社の状況に即した営業マーケティングモデルの検討の重要性について、記載してきたがここでは、「ハイブリッド型モデル」を検討する上での一つのパターンを提示したいと思う

図3にあるように、大きく①「分業型」、②「混合型」、③「独立型」の3パターンを提示したい。

①「分業型」は、現在、多くの製薬会社が採用しているモデルだと思うが、「eMR」がオンラインで「アポイント取得」までを行い、現地の「MRに連携」するモデルである。「大学・大病院が主体」かつ、採用にあたり、「製品の詳細な説明が求められる」場合は、採用プロセスにおいて複数の医師、関係者が関与し、複数回の面談が必要なケースが多く、オンラインのみでの採用は不可能ではないが、逆に採用率を下げて、生産性を下げる可能性も高い。

その点、オフラインのMRと連携することにより、オンラインのeMRで全国をカバーし、有効な商談を確保しつつ、採用率を上げることも可能になる。スペシャリティ領域の薬剤で有効なモデルなのではないかと個人的には考える。

次に、③「独立型」は、「オンライン」のeMRが、「アポイント~面談~採用」までを一気通貫に行うモデルである。例えば、「開業医」主体のマーケットの製品で、広く全国をカバーする必要がある場合は、有効なモデルだと思う。開業医における製品採用は、大学大病院に比べ、院長のみとの面談で採用に至ることが多く、採用プロセスもシンプルなことが多い。オンラインセールスでも十分に、対応が可能であり、何より一人の担当者が、対応可能な施設数が増える為、仮に採用率が少々落ちたとしても十分、面談件数を確保出来、トータルの売上増加が期待できる。

また更に、このモデルのメリットとしては、採用まで、他部門との連携が必要なく、同一部門内で完結できるため、例えば立ち上げ直後等、面談の引継ぎ条件などを含む業務フローが固まり切っていない場合においても、アジャイルで迅速に修正しやすいというメリットもあるモデルである。

最後に、②「混合型」であるが、これは①「分業型」と③「独立型」を「施設の重要度」、「地域」等で最適なモデルを組み合わせた形である。このモデルは「分業型」、「独立型」のそれぞれの良さを取り入れたモデルである反面、業務フローの設計含む、設計難易度は高まる為、まずは分業型、独立型のいずれかのモデルで立上げを行い、業務フローを固めつつ拡大に伴い、組織を分化させていくという形が良いと思う。

ハイブリッド型の次世代営業マーケティングモデルの「設計・構築」の仕方とは?

今回は、近年ヘルスケアスタートアップのみならず、「スペシャリティ領域」、「ヘルスケア企業の新規事業立上げ」の文脈の中で導入が増えている、「ハイブリッド型の次世代営業マーケティングモデルとは、何なのか?」について、現時点で見えてきた課題も踏まえて、考えてきた。

一方で、この「ハイブリッド型の次世代営業マーケティングモデル」導入にあたっては、各社の状況に応じて、検討していく必要があると考えており、本連載では、図4に示すように、①「考え方」、②「作り方」、③「実行の仕方」と3部に分けてその考え方をフレームワークを提示しながら考えていきたいと思う。

是非、皆様の状況にあてはめて考えて頂きながらより良いモデルへと進化させていければと考えている。

⇒第二回:「ハイブリッド型の営業マーケティングモデルの作り方は?」を読む

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国内外の製薬会社においてMR業務に従事。2012年には国内5%表彰にあたるJapan Salse Excellence Awardを受賞。その後、外資系コンサルティング会社にて、製薬企業の営業・マーケティング、PV、PMS部門の戦略策定から組織・人変革、BPRまで幅広い業務に従事。 現在は、独立しヘルスケアスタートアップ、製薬会社の営業・マーケティング、新規事業開発を中心に、コンサルティングを実施。
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