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ハイブリッド型の 営業・マーケティングモデルの作り方は?

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国内外の製薬会社においてMR業務に従事。2012年には国内5%表彰にあたるJapan Salse Excellence Awardを受賞。その後、外資系コンサルティング会社にて、製薬企業の営業・マーケティング、PV、PMS部門の戦略策定から組織・人変革、BPRまで幅広い業務に従事。 現在は、独立しヘルスケアスタートアップ、製薬会社の営業・マーケティング、新規事業開発を中心に、コンサルティングを実施。
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記事の概要
今回の記事はこんな人のために書いています

  • アフターコロナのハイブリッド営業・マーケティングモデルの構築を検討中の営業・マーケティング責任者
  • インサイドセールスMR立ち上げを推進することになったが、何をどうすれば良いか分からない営業・マーケティング責任者
  • 次世代に求められるインサイドセールスMRの役割・業務を理解し、成長したいと考える現場MR

今回の記事を読むと以下のことが分かります

  • 次世代営業マーケティングモデルとは何か?
  • コロナ禍で見えてきたオンラインセールスモデルの課題は?
  • アフターコロナにおけるハイブリッド型の次世代営業マーケティングモデルとは?
  • ハイブリッド型の次世代営業マーケティングモデルの「設計・構築」の仕方とは?

こんにちは、スターコネクトコンサルティングの水本です。

今回の記事は、製薬業界向けの営業マーケティングの業界専門誌のMonthlyミクスで2022年5月号に掲載した、「ハイブリッド型の営業マーケティングモデルとは?」について記載した内容をご紹介したいと思います。

Monthlyミクス5月号でも公開していますので是非、ご興味ある方はご覧ください!

それでは以下にご紹介します!

 

はじめに

前回の連載第一回では、COVID-19を契機に急速に各社導入が進んだオンラインセールスモデルと、現時点で見えてきた課題を踏まえ、「アフターコロナにおける次世代営業マーケティングモデルとは何か?」について考えてきた。COVID-19以降、各社が「ハイブリッド型」の営業マーケティングモデルを取り入れてきている点についても言及したが、一方でどの様なモデルを取り入れるべきかについては、画一的な正解があるわけではなく、「対象顧客」「製品特性」等を踏まえ、自社の状況に即して導入していく必要がある点についても言及した。第二回目となる今回は、「次世代営業マーケティングモデルの作り方は?」の全体像について、戦略、組織・人、業務の3つに分けて考えていきたいと思う。今回は総論的な内容となるが、各論に入る前に、全体の流れを掴んでいただければと考えている。

「誰に?」、「どの様に?」プロモーションを行うのか?

具体的な営業マーケティング組織を検討する前に、自社製品/情報を、「誰に?」「どの様に?」プロモーションをしていくのかという点について、「プロモーション戦略の全体像」として整理してみたい。

対象医師の行動プロセスは?

具体的なプロモーション戦略を考えるうえで「対象医師」とその「行動プロセス」に相当する「ペルソナ」、「カスタマージャーニー」について考えていきたい。

従来は、対象顧客を「集団」として属性を捉える「ターゲット層」という考え方が一般的だったと思うが、「ペルソナ」はより対象顧客を「個人」として詳細な人物像を特定することが特徴である。

また、「カスタマージャーニー」は「ペルソナ」を設定した上で、そのペルソナが、薬剤の採用・処方に至るまでの顧客の「行動・思考・感情」を時系列で「見える化」したもので、その後のプロモーション戦略を考えるうえで、顧客の理解という点で、非常に重要なプロセスとなる。

この「ペルソナ」と「カスタマージャーニー」の認識が事前にすり合っていないと、後段の、「プロモーション戦略」、「組織体制」、「業務プロセス」を検討する上で、議論メンバー間でのズレが生じる為、注意が必要である。

自社の製品の、メインターゲット医師と、「オンライン/オフラインのセールスモデルの相性が良いのか?」、一部会わない部分があるのであれば、「どの部分はオフラインを取り入れる必要があるのか?」について検討する上でも、検討開始時に、「ペルソナ」「カスタマージャーニー」を見える化して、議論メンバーの認識、前提を揃える必要がある。

プロモーション施策の全体像は?

次に、ペルソナ、カスタマージャーニーを元に、自社のメインターゲット医師の属性・行動プロセスを明らかにしたうえで、行動プロセスの「どの段階で?」、「どの施策を?」うっていけば良いのかについて、「プロモーション戦略の全体像」として取り纏めていく。

図表③に記載する様に、各施策が医師の行動プロセスの「どの段階に働きかけることが目的の施策なのか?」について意識して実施することにより、施策の効果の検証や実施のタイミング等について、チーム内で認識を統一することが出来る。

 

目標達成は可能か?

ここまでで、「誰に?」、「どの様に?」プロモーションを行っていくのか、について大枠が明らかになってきたが、各施策を打つうえで、「どの程度の効果が期待できるか?」について一定のロジックを持って判断/説明することが求められると思う。

施策間の評価の方法は色々とあると思うが、このモデルでは「売上」を「採用数」→「商談数」→「リード数」と分解して考えることが多い為、各施策の評価においても、「目標売上」を元に、施策毎に一定のCV、前提値をおいて試算することにより、各施策でどの程度の「リード数」「商談数」「採用数」が見込まれるのかを積み上げて考えることが可能である。

但し、前提値により見込みはズレることも大いにあるため、重要なのは、考え方を理解した上で、やりながら、見込みが外れたのであれば、どの部分がズレていたのかを検証しながら、進んでいくことであり、最初から精緻なモデルをくみ上げる事ではないと、立上げを経験する中で筆者も強く感じている。

戦略を実現する為に必要な「組織・人」は?

ここまでで、対象医師を明確にした(ペルソナ・カスタマージャーニー)うえで、必要なプロモーション施策と、それらの施策で目標達成は可能か?について考えてきた。

そのうえで、これらのプロモーション戦略を実行する上で、必要な「組織・人は?」という観点で、必要な組織体制、役割分担、面談形式、HCなどを「営業・マーケティングモデルの初期仮説案」として取り纏めていく。

第一回で紹介したような、営業マーケティングモデルのパターンについて、対象顧客、製品特性等も踏まえ、どの部分をオンラインでやり、どの部分をオフラインにするのか?、若しくは完全にオンラインセールスモデルとするのか?、等について自社の状況に即して議論を重ねていくことが重要である。

戦略を実現する為に必要な「業務プロセス」は?

最後に、具体的な業務プロセスについて検討していく。詳細は今後の「業務編」で検討していくが、近年、インサイドセールス部門が立ち上がり、1.「如何にしてリード医師を獲得・育成するか?」またそのリード医師を2.「セールスに連携していくのか?」について議論する事も多いと思うので、全体編の今回は、この2点について考えていきたいと思う。

どの様に対象医師を、獲得・育成するか?

「リード医師獲得・育成」の「マーケティングシナリオ」と必要な「コンテンツ」についても、今後検討していくが、ここでは一例として、「自社Web講演会への参加医師」を起点とした「インサイドセールス」のアプローチについて考えていきたい。

既に実施済みの会社も多いと思うが、Web講演会を起点としたアプローチは、重要なマーケティングシナリオの一つである。

自社Web講演会の場合、メールアドレスが取得できている為、参加者リストのアンケート結果等も踏まえ、例えば1.「今すぐ医師」、2.「お悩み医師」、3.「まだまだ医師」などに分けて、1.「今すぐ医師」に対しては、「セールスからの架電」、2.「お悩み医師」に対しては、「インサイドセールスからの架電」、

3.「まだまだ医師」は、メールシナリオをMAで設定のうえ「ステップメール」で対応等、顧客の興味関心に応じて、アプローチの方法を変えることも可能になる。

本プロセス自体は一般的にやられていることかもしれないが、重要なのは施策毎にマーケティングシナリオを構築し、それに沿って戦略的にリード医師の獲得・育成を行っていくことである。また、MA/SFA/CRMでは、ワークフロー等の自動化も可能であり、マーケティング担当者がシナリオを考え、それをワークフローに落とし込むことも、できる様にしておくとよい。

筆者自身もエンジニアのバックグラウンドはなかったが、MAのワークフロー機能を用いて、ノンコードで設定できたため、マーケティングシナリオの作成、設定は自身で行い、必要に応じ変更していくことがタイムリーにできた。

獲得・育成した医師をどの様にセールスと連携するか?

次に、上記マーケティングシナリオにより獲得・育成した医師をセールスへ連携していく。

最近、各社インサイドセールス部門を立上げ、セールスとの連携について悩まれているのではないだろうか。

本モデルは、「マーケティング」「インサイドセールス」「セールス」と部門にまたがって構築されている為、実施する目的・意図がしっかりと伝わっていなかったり、コミュニケーションが不十分なまま形だけ進めてしまうと、セールス部門から、「なぜこんな確度の低いアポイントを回してくるのか?」「自分の知らないところで勝手にアポイントを取らないで欲しい」などの不満も多く上がってくる部分でもある。

この点については製薬業界特有のものではなく、他業界で同じようなモデルを取っている企業からも既に多く聞かれている悩みであり、どの業界でも起きうる共通の悩みである。

対応方法として特効薬のあるものはなく、マネジメント層が本モデルの意義をしっかりと明文化し、それを職種間の共通認識として、繰り返し日常のコミュニケーションの中に溶け込ませていくことしかないと個人的には思っている。

他業界ではインサイドセールスの中でもよりセールスが訪問しきれていない顧客に対し「新規開拓」として「BDR(Business Development Representative)」という部門を戦略的に設置する例も多いが、この時大事なのは、「セールス」側と期初に必ず、全体のターゲットリストを共有し、「どの顧客は既存でセールス主体でやるのか?」「どの顧客は新規でBDRがやるのか?」また「どの顧客は共通で取り組むのか?」についてプランニングの上、共通認識をもって営業を進めることだという。

アポイントが取れた時のみ、コミュニケーションを行うのではなく、セールス、インサイドセールス両者でターゲット施設を攻略していくという姿勢を、日常の活動レベルで共有できるようになると両者の溝もなくなってくるのではないだろうか。

おわりに

いかがだっただろうか。今回は、「ハイブリッド型の営業マーケティングモデルは?」ということで、最初にペルソナ、カスタマージャーニーを元に、対象顧客の属性・行動プロセスを明確にし、そのうえで必要なプロモーションの全体像について「プロモーション戦略の全体像」として纏めた。またそのうえで戦略に必要な組織・人、業務について検討し、最後には良くある課題としてインサイドセールス、セールスの連携について考えてきた。

次回以降は、これら戦略、組織・人、業務について、それぞれもう少し具体的にステップを踏んで考えていきたいと思う。

⇒第三回:「戦略編「誰に?」「どの様に?」」を読む

 

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